インタビュー

アメリカから十勝へ。野球で培った挑戦心を活かし、地域を豊かにする力に

幼少期をアメリカで過ごし、日本での学校生活を経て、大学時代には再び渡米。常に野球とともに歩み、多くの学びを得てきました。挑戦する姿勢を大切にしながら、2025年春に北海道の十勝へ。株式会社オープンハウスから「かぜ」へと舞台を移し、地域の人々と直接関わりながら新たな挑戦を続けています。野球で人を笑顔にしてきた経験を胸に、今後は十勝に豊かさを届けたい。その想いを語っていただきました。

幼少期に触れたアメリカ メジャーリーグの魅力

Q : 生い立ち・バックグラウンドについて教えてください。

仁王「神奈川県川崎市で生まれ、1歳から6歳までは父の仕事の都合でアメリカ・テキサス州ヒューストンに暮らしていました。父は野球好きで会社の草野球チームに所属しており、私もよく一緒に練習に付いていったんです。

家族でメジャーリーグの試合を観戦することもありました。試合では、ファンサービスとして子どもたちが選手とキャッチボールをできる機会があるのですが、3歳のときに相手をしてくれたのが新庄剛志選手(現・北海道日本ハムファイターズ監督)だったんです!幼かったながらも、そのときの驚きや興奮、そして感動は今でも鮮明に覚えています。」

野球を通じて学んだ「挑戦する姿勢」

Q : 学生時代について教えてください。

仁王「帰国後は日本で小学校から高校までを過ごし、その間ずっと野球に打ち込んできました。

高校を卒業後、アメリカの大学へ進学しました。将来を考えたとき、子どもの頃に何度も足を運んだメジャーリーグ観戦が、自分にとって大きな原体験だったことに気づいたんです。「自分も野球を通して人を楽しませたい」と思うようになり、そのためにスポーツビジネスマネジメントを専攻。球団経営や広告戦略など、野球ビジネスに特化した学びを深める道を選びました。

仁王「同時に野球を続けたい気持ちもあり、現地のチームに所属しました。しかし当時はアジア人は私ひとりで、選手としてもあまり期待されず、チームの輪にもなかなか溶け込めませんでした。

そんなある日、紅白戦で監督から声をかけられ、急遽打席に立つことになります。「ここで結果を出して周囲を見返したい」と強く思い、打席に立った結果、ヒットを放つことができたんです。幸運もありましたが、その一打をきっかけに監督やチームメイトから認められるようになりました。公式戦に出場することは叶いませんでしたが、その後は試合に出続けることができました。」

華やかなプロ野球を支える裏方の苦悩

Q : 前職までの社会人経験について教えてください。

仁王「大学卒業後、インターンとしてメジャーリーガーのパーソナルアシスタントを務めました。将来、メジャーリーグの球団経営に携わる足掛かりになればと考えたんです。キャンプ中は住み込みで選手と生活を共にし、掃除や食事、運転など生活面を幅広くサポートしていました。」

Q : パーソナルアシスタントの業務で苦労したことを教えてください。

仁王「華やかに見えるパーソナルアシスタントの仕事でしたが、実際は想像以上にハードで、思い描いていた「野球マネジメントの世界」との間に大きなギャップを感じました。人間関係にもたくさん悩みました。振り返ると、この経験を通じて「仕事における人間関係の大切さ」や「組織の中での役割意識の重要性」を学べたと思います。

その後、インターン期間が終わったのを機に就職活動を開始。同期はすでに社会人3年目を迎え、キャリアを積み始めている頃です。対して自分には何もないように感じ、焦りもありました。けれど、その不安と向き合う中で「英語力やアメリカでの生活経験は、日本では大きな強みになる」と気づき、日本で再出発しようと気持ちを切り替えることができました。

地域に根ざした挑戦のフィールドへ

Q :「かぜ」で働くようになった経緯を教えてください。

仁王「2024年に本帰国し、株式会社オープンハウスに入社しました。当初は戸建て事業を志望していましたが、アメリカ不動産事業があることを知り、これまでの経験をより活かせると思ったんです。そして、2025年4月から「かぜ」に出向する形で北海道・十勝に来ました。東京では電話やオンラインミーティングでお客様とお話することがほとんどでしたが、十勝では対面営業が中心で、地域の方々と直接お話をさせていただけることにやりがいを感じています。

Q :「かぜ」への参画理由について教えてください。

仁王「今振り返ると、入社当初は「かぜ」の事業を十分に理解できていなかった部分もあったと思います。ですが、地域共創の取り組みを間近で見ていくうちに、それが単なる不動産営業ではなく、地域を豊かにするための大切な仕事なのだと気づきました。そして「ここで挑戦してみたい」と強く思うようになったんです。」

Q : 「そら」と「かぜ」の地域共創への想いについて教えてください。

仁王「赴任して間もない頃、帯広の夏の風物詩「勝毎花火大会」で「そら」が協賛企業として紹介される場面に立ち会いました。十数万人規模の観客の前で自社の活動が紹介される様子を目にし、「地域に支えられ、その分を地域に還元することこそが地域共創なのだ」と強く実感しました。その瞬間、胸が熱くなったのを覚えています。

Q :「かぜ」での今、これからについて教えてください。

仁王「現在は、アメリカでの生活経験を活かし、現地のリアルな情報をお客様に伝える営業に取り組んでいます。

これからは、地域のお客様との信頼関係をさらに築きながら、不動産や地域共創事業を通じて人を笑顔にしていきたいと考えています。かつてメジャーリーグで人を楽しませたいと願ったように、今度は地域と仕事を通じて豊かさを届けていきたいと思っています。」

【PROFILE】

【仁王 良祐|におう りょうすけ】
神奈川県出身。父の海外赴任で1〜6歳までをアメリカ・テキサス州のヒューストンで過ごす。小学校から高校まで日本で生活し、高校卒業後、アメリカの大学に進学し、スポーツビジネスマネジメントを専攻。大学卒業後、インターンとしてメジャーリーガーのパーソナルアシスタントに従事。日本帰国後、オープンハウスに入社。アメリカ不動産事業の営業として東京勤務ののち、2025年4月から「株式会社かぜ」に参画し、十勝で地域共創に奮闘中。

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