現在、私たちは、弊社グランピングリゾート施設の「フェーリエンドルフ」内に冷燻工房を建設中で、7月末の完成を予定しています。
本工房には様々な想いが詰まっています。
私は昨年4月に起業し、株式会社そらを帯広に設立しました。元々は金融機関に勤めていたこともあり、帯広を金融最先端の街とすることをビジョンとして掲げ、金融教育を中心に事業展開を図る予定でした。
しかし、起業を決めた年である2020年、突如として出現したコロナにより人々の生活は大きく変わりました。起業すること自体に迷いは無かったものの、連日報道されるコロナの状況を見て、果たして今からやるべきことは本当に金融教育で良いのだろうかという迷いは日に日に高まっていきました。このコロナが長引けば、十勝の観光業、飲食業は大打撃を受けることは確実。何か自分たちに出来ること、すべきことがあるのではないだろうか・・・
そのような想いを秘めたまま、昨年3月に起業の決起集会として、共に起業するメンバーと3人で赤坂「燻」で食事をしました。
この時、「燻」のオーナーシェフであり、今回の食の工房の監修に携わることとなる輿水 治比古氏に私たちが十勝で起業する話をしたところ、「十勝で起業するのか。あそこは食の宝庫だからね。十勝の発展のために起業したいという想いなのであれば協力するわ!」との言葉を頂きました。この時、私の中で、輿水氏の技術と十勝の食材を掛け合わせた料理を、全国に届けようと決意しました。
前職時代より特別な日には「燻」で食事をしていました。「燻」は世界で一番美味しい食事を堪能できる場所だと思っています。何故こんなにも料理が美味しいのか、ある時輿水シェフにその理由を尋いてみました。すると一言、「食材に魔法をかけているからだよ」と。
「魔法って何ですか」と更に尋ねると、「冷燻(れいくん)を食材に施し、それを調理しているから旨味が濃縮された料理を出せるんだ。通常の燻製とは違い、冷燻の場合は加熱をしないから熱による成分変化が起こらない。素材本来のポテンシャルを最大限引き出すことが出来るし、熱を加えない冷燻なら生肉も刺身も液体もいけるんだ」。
起業の数年前に興味本位で尋いたことが、私の初めての事業になりました。全国に本当に美味しいものを届けたい、そのためにはまずは冷燻工房を十勝に作りたいと思い、起業当初は十勝の色々な場所をめぐりました。冷燻に適した場所、土地の費用、流通させやすい場所、周囲の環境等の様々な要件を満たす土地は中々見つかりません。ここだ、と思える場所も確保には至りませんでした。また、「金融マンがなんで燻製?別のことした方が儲かるでしょ」等の言葉も、耳にタコができるほど聞かされました。
しかし、株式会社そらのビジョンである「十勝に人とお金を集める」ことを実現するため、十勝の素晴らしい食材を冷燻という技術で更に美味しくして全国に届けたいんだという信念が勝ち、工房建設を止めるという選択肢はありませんでした。
工房の建設地を探している中で、当時フェーリエンドルフのオーナーである西氏(現そら取締役)と出会いました。当初は、フェーリエンドルフの広大な敷地の中に、食の工房を作らせて欲しいとの考えでしたが、西氏とコロナ禍における観光業界の苦しさやフェーリエンドルフのポテンシャルの大きさ等を共有する過程で、共にフェーリエンドルフを盛り上げていこうという話になり、株式会社そらとフェーリエンドルフとの経営統合に至りました。現在、西氏は本工房プロジェクトの担当責任者です。
工房では、中札内村の様々な食材を冷燻した商品を製造していく予定ですが、まず第一弾はマヨネーズを商品化します。
「燻」でもファンの多い輿水氏の冷燻マヨネーズを、輿水氏監修のもと中札内村産の卵を用いて工房で製造します。このマヨネーズが本当に美味しいんです。料理を引き立てるだけでなく、マヨネーズ自体が主役にもなる、マヨネーズの概念を覆すものだと感じています。加えて、スタンダードなマヨネーズだけでなく、様々なフレーバーのマヨネーズを現在開発中で、近日中にご提供できる予定です。
私たちの工房事業は、中札内村を拠点とし、十勝や中札内村産の食材を用いて全国に発信していくわけですが、中札内村も同様に村の魅力を全国に伝えていこうと尽力されています。食の事業は、中札内村役場の方々と連携し進めてきましたが、中札内村と株式会社そらとがより一体となり中札内村の魅力を全国に発信していこうという考えのもと、中札内村が実施自治体となるふるさと納税型クラウドファンディングを実施することとしました。
中札内村は、十勝平野の南西部に位置し、日高山脈中央部を源とする清流「札内川」の流域に広がる、北海道最大人口の村です。主要産業は農業、食の宝庫です。そして、村の至るところで自然の美しさを感じることができます。この魅力を少しでも全国の皆さんに知って頂くべく、本ふるさと納税型クラウドファンディングでは、私たちの食事業の第一弾商品となるマヨネーズだけでなく、中札内村の魅力を堪能できる様々な返礼品をご用意しました。
本クラウドファンディングを通し、皆さまと繋がることができることを楽しみにしています。皆さまも是非一度、中札内村にお越しください!
冷燻プロジェクト関連ストーリー Q&A
Q:「冷燻」の魅力は?
A:一言では伝えきれないのですが、頑張って端的にお伝えすると、「素材が本来持つポテンシャルを最大限引き出し、一口食べた瞬間、何これ美味しい!という感動に包まれ、その後に燻製の余韻がほのかに口の中に残ります。様々な成分が混じっている食材の、旨味を凝縮させ、冷燻で輪郭をコーティングしたというイメージがピッタリかもしれません。ただ一つシンプルに言えるのは、“間違いなく美味しい”」ということです。
Q:フェーリエンドルフに冷燻工房ができた後の展望は?
A:日本が誇る食材の宝庫“十勝”の素晴らしい食材と、日本を代表する料理人“輿水シェフ”の知見や技術を掛け合わせた、“これまでにない美味しい”をこの冷燻工房から創り出して行きます!
Q:中札内村の印象や素敵だなと思うところは?
A:中札内村には、六花亭様が運営する「六花の森」や、「チーズやアイスクリームで有名な「十勝野フロマージュ」、「花畑牧場」、など、名が知れていて、誰もが一度は訪れたくなるような場所が数多くあります。しかも中札内村は、「とかち帯広空港」から車でわずか10分程度という好立地であり、「十勝に人を呼びこむ一丁目一番地」になり得る大きなポテンシャルを秘めた場所だと思っています。
代表取締役CEO 米田 健史
・1986年3月5日生
・北海道大学法学部卒
・2009年4月 野村證券株式会社入社
・入社後、錦糸町支店に配属。2年半の勤務を経て人事部付で新卒採用業務に携わる。2012年より横浜支店で2年間勤務し、2014年より4年間組合専従。2016年の夏からの2年間は執行委員長を務める。執行委員長の任期満了に伴い、「自身が最も好きなとかち帯広で、地域に貢献できる仕事がしたい」と会社に希望を伝える。
・2018年9月 とかち帯広営業所に配属
・2020年3月 野村證券株式会社を退社
・2020年4月 株式会社そらを設立